Plan of the soul 魂のブループリント

ギリシャ時代の古典・文学書が今日でも読めるわけ

2020/07/07
映画・本・音楽・コミック 0
『薔薇の名前』

ベストセラーとなったウンベルト・エーコの小説を映画化。
中世ヨーロッパの修道院が舞台となったミステリーです。

name of rose1

フランチェスコ会修道士のウィリアム(ショーン・コネリー)と
見習い修道士アドソ(クリスチャン・スレーター)

2人が着ている修道服は、フランチェスコの教えである「無所有と清貧」を
表していて、
染色していない灰色のローブで頭巾があります。

腰の縄紐は、3つの結び目があり、これは「清貧」「貞潔」「従順」の
意味が込められているそうです。 → 「URANARU」サイト

この修道院で次々と殺人事件がおこるのですが、
その原因となったのは、

ウィリアム 「どうしてこの本を封印したかったのか 喜劇を扱った本なら他にもあるのに なぜこの本を?」
ホルヘ 「あの哲学者によって・・・書かれたからだ」

 → NHKスタッフブログ「薔薇の名前」

ネタばれですが、

ウィリアム 「見せてくれ アリストテレスが書いた『詩学』の第二部を それは笑いの価値について書かれている本だ 誰もが幻の本と思ってきたが その唯一の写本をあなたがここに持っている」



ホルヘさん
ホルヘさん

ホルヘ 「神のご意志が笑いものにされたと知れ渡れば その災いを止める術はない」
ウィリアム 「だから暗闇で毒を塗ったのか」



幻の本とあれば、見たくなるのが人情ですよね(汗)

『知識人たちが夢中になっているアリストテレス。「笑い」について論じた本の存在が、もし知られてしまったら、神の権威に対する破壊力がどれほどのものになるのか・・・』とホルヘは恐れたのですね。

 →NHKスタッフさん

今年、ドラマで放映されていたんですね。
知らなかった

修道院の中にある隠された階段
迷宮階段

登っていくと、なんと秘密の図書室が!
迷宮図書館


中世ヨーロッパにおいて、図書館として重要な役割を果たしていたのが修道院です(映画「薔薇の名前」参照)。6世紀 、ベネディクトがイタリアのモンテ・カシノに修道院を設立しますが、そこに設けられた図書館は、まさに「知識の宝庫」、そして中世カトリック社会における学問の中心でした。書写されるのは圧倒的に宗教書が多く 、とくに新約聖書はもっとも頻繁に書写されたようです。

そしてそこでは、宗教書のみならず、ギリシア・ローマ時代の古典や文学書の書写も行われていたのです。カトリックの教義が絶対だった時代 、プラトンやアリストテレスといったラテン語による貴重な古典文献は修道院で守られ、のちにルネサンスを生み出す原動力の一つにもなっていきます。たとえば、今日知られているプラトンの写本は 、本人の死から1200年以上もたった9世紀にコンスタンティノープルで書き写されたものであるといいます。また、今私たちがカエサルの『ガリア戦記』の簡潔で力強い文体を楽しめるのも 、この時代の写字生たちの努力によるわけです。彼らがいなかったら、そうした古典の名著はとっくに失われていたことでしょう。

→ 「楽しい世界史」

これは「薔薇の名前」で出てきた写字室↓
写本づくり 

ものすごく根気のいる仕事だと思います(汗)

中世の修道院の映像が見事ですね。ロケ地となったのは
ドイツのエーベルバッハ修道院だそうです。

今回、いろいろ検索しまくって、
すごく勉強になりました(笑)




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 エル
Admin:  エル
天秤座、夜明け前の生まれです。

18世紀頃まで、ホロスコープは四角形で描かれていたそうです。

自分のMCサビアンが『A man before a square with a manuscript scroll before him.』
(一人の男が巻物を手に四角形の前にいる)
ルディア氏はこの四角形を曼荼羅と訳しましたが、もしかしてホロスコープのことだったのかもしれません。

Kuni.Kawachiさんの元で伝統占星術を勉強中。
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